本年度テーマ

「Nature-based Solution」

 近年、豪雨や猛暑に代表される激甚災害が頻発している。我が国では土木構造物に代表される近代技術を用いて災害と向き合ってきた。しかしここ数年、近代技術の結晶であるダムや堤防の手に余る災害が増加していることは、この防災の在り方に疑問を投げかける。
 そんな中、再注目されているのが、日本古来の経験的知見だ。先人達は微地形に沿った集落展開や、長い軒と広い間口を持つ住居を始めとし、厳しい自然と上手く付き合う知恵を持っていた。これらの”自然の恵みを享受し、その理不尽を受け流す姿勢”は、近年猛威を押さえ込めなくなった自然に対する新たな向き合い方を示唆する。しかし、既存の防災インフラの効果を高めるアクセントとして経験的知見が期待されている一方で、実際に行われている事業はまだまだ少ない。

 近代技術と経験的知見を繋ぎ、取り組みを促進する架け橋としてグリーンインフラに着目したい。グリーンインフラとは「自然環境が有する多様な機能を積極的に活用して、地域の魅力・居住環境の向上や防災・減災等の多様な効果を得ようとする(第4次社会資本整備重点計画)」ものと定義されている。その土地固有の自然をインフラとして活かす取り組みは、画一的な土木構造物と、地域に依存する経験的知見の中央に位置していると言えるだろう。
 平成27年の閣議決定後グリーンインフラは推進されつつあるが、その多くはコンクリート表面を緑化するといったサステナビリティをアピールするための手段に留まっている。グリーンインフラはただ緑であれば良いのではなく、インフラとしての目的を持ちその地域固有の自然機能を利用するものであるべきだ。

 そこで、本年度の『景観開花。』では、自然機能を活かしたインフラによる災害を始めとした地域の課題解決をテーマとする。土木構造物の持つ画一性と自然環境が持つ地域固有性を繋ぐ提案を期待する。

評価の観点

• 課題が明記されているか

• 地域の持つ固有性を考慮した提案であるか

• 土木構造物またはこれに準ずる施設を中心とした、ハードに主眼を置いた提案の具体性と現実性

• 提案がテーマに即しているか

これらを総合的に評価する。


設計条件

• 自然機能を活かした、ハードに主眼を置いた提案であること。

• 原則、諸法律を遵守すること。逸脱する場合はその箇所および理由、実現のための方策等を合わせて明示すること。

• テーマに沿う都市を対象として選定し、選定理由と合わせて明示すること。

• 実在する敷地を対象として明示すること。

• 地質調査や構造計算は求めないが、構造の現実性は確保すること。


対象者

• 2023年4月1日現在、大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専門学校・高等学校に籍をおく学生、もしくは経験年数5年以下(2023年4月1日現在)の社会人であること。

• 上記条件を満たす人物によるグループでの応募も可とする。

• 後述する公開最終審査会に参加できること。一次審査にて入選作品に選ばれた時点で参加を確約できない場合、入選を取り消し次点の繰り上げとする。


提出物

 以下を提出物および提出条件とする。締切日までに4点すべてを提出したもののみ、審査対象とする。

パネルデータ

提案の意図を表現する図面および説明文を記載したもの。A1サイズ片面1枚に収まるよう作成し、パネルデータをPDF形式としたもの。応募者に別途案内する作品データ提出フォームからの提出を求める.

<ファイル名>

応募登録時に交付されるエントリーNo.をファイル名の先頭に使用し、「〇〇パネル.pdf」とすること。

例:「00パネル.pdf」

模型

提案の意図をよく表現する縮尺により作成したもの。個数は問わないが、展示に要する空間は一辺が1mの立方体に収まること。最終審査へ進出した場合に提出を求める。提出方法は「3.6作品提出」の通りにすること。

写真データ(模型写真・CG等)

一次審査会では遠隔開催のため、設計の概観がわかるJPEG形式の写真データの提出を求める。枚数は1枚以上5枚以下とする。応募者に別途案内する作品データ提出フォームからの提出を求める.

<ファイル名>

応募登録時に交付されるエントリーNo.をファイル名の先頭に使用し、また全枚数中の何枚目かを末尾に示し、「〇〇写真□/△枚目.jpg」とすること。

例:「00写真1/5枚目.jpg」

作品概要

一次審査時に使用する100文字以内の作品の概要。応募者に別途案内する作品データ提出フォームに直接入力すること。

一次審査は公平を期すため匿名で審査を行う。すべての提出物に氏名や所属先を明記してはならない。


作品提出

作品データ提出フォーム
応募者に別途案内する

模型提出宛先
〒980-8572 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1
東北大学災害科学国際研究所 事務局 気付
S304-E 景観研究室 景観開花。実行委員会宛

E-mail
info@keikankaika.jp

  • 模型の提出は郵送、宅配便または直接持参による締切日必着とし、作品の提出にかかる費用はすべて応募者の負担とする。
  • 郵送または各社宅配便を利用の場合、配達時間を平日14時から18時までの間に指定し、到着日時を予め実行委員会に連絡すること。直接持参の場合も、必ず到着予定時刻を予め実行委員会に連絡しておくこと。
  • 直接持参の場合も含め、梱包は提出物が損傷しないよう厳重に行うこと。
  • 模型を分割して送付する場合、必ず組み立て方を明記すること。
  • すべての提出物には別途指定フォーマットのラベルを印刷し、必要事項を記入のうえ、梱包に貼り付けること。
  • メールの文面には、エントリーNo.、氏名、作品名を必ず記載すること。

その他

• 応募作品は未発表のものに限る。

• 応募作品は1エントリーにつき、1作品に限る。

• エントリーは1人につき、1エントリーに限る。

• 応募作品の著作権は、応募者に帰属する。

• 主催者および実行委員会は、本企画の主旨の範囲内で、著作権者名を明示のうえで、報

 告書、記者発表資料、作品集、Web等を通じて、応募作品および提案されたアイデア、

 情報、データ等を公表できるものとする。

• 課題に対する質問は受け付けない。規定外の問題は応募者の自由決定とする。


募集要項

本年度募集要項はこちらよりダウンロードしてください。

エントリーフォーム

景観開花。への応募にはエントリーが必要です。

以下のリンクよりエントリーフォームに進み必要事項を記入してください。